シングルマザー愛理リンの大家への道1  強羅駅 午前6時59分発

f:id:ERIeririn:20210112024810j:plain11月26日木曜日。
早朝の強羅駅に着いたのは6時45分。59分の発車までまだ、間がある。ドキドキしながら電車を待つ。

前日から1年半付き合ってる彼と強羅温泉に泊まりに来ていた。楽しいはずの旅行がなぜ?
夕飯後、部屋に戻って「浮気しているじゃないか?」(15歳年上だから?いつも心配してた)「手帳見たけど、誰と合ってたの?」
(えっ?勝手にバックの中の手帳みてたの!?)とだんだん声を荒げたして、してないという私の首を締め始めた!
普通じゃない!(怖)帰りたいと泣く私の頭を殴った。暴力的片鱗は少しあったけど、ここまでだったか……。
その夜は机を真ん中において、布団を両脇にして寝た。相変わらずの自分の男を見る目のなさも情けなかった。
これ以上、無理!!と思った。

好きな気持ちはスッーと消えていった。
彼が不動産賃貸業をやっていたから、教えてもらうという気持ちもなくなった。


早朝、寝ている私(寝たフリしてた)に「昨日はごめんね、愛理リン大好きだからね」と言い、風呂に行った。
首絞めといて、次の日そんなことを言う彼。ゾッとした。そう思ったら、無意識に荷物をまとめ、服を来て急いで部屋を出ていた。

宿を出て、ひんやりと冷たい外気の中、強羅駅に向かって走っていた。

強羅駅に着いて彼から着信があったけど出なかった。
「別れなきゃだめだ」
そう思って、強羅駅6時59分小田原駅行きの電車に乗った。
「これから自分で勉強して不動産投資をするしかない」そう思って。

これが大家への道の第一歩だった。